ぱせりんの小説記

小説をただただ垂れ流すだけの記

くま と ハムマン 激闘編

熊ってなんだよ(哲学)

 凄まじく時間が飛んだりしてるけど中盤が書きたかったからしょうがないね

 

 

 

 

『直上ーーー?!』
『ヨークタウン姉様!!』
『先に行って!旗艦さえ無事なら先に進めるわ!』『でも!』
『いいから!爆撃を受けたエンタープライズと一緒にここでダメージコントロールするから!』
『必ず……セイレーンを倒して!』

ハムマン「……囲まれてしまったのだ……」
ハムマン「相手は重装甲、こっちにあるのは数本の魚雷と榴弾砲だけ……」
ハムマン「また……ヨークタウン姉様を守れず負けるなんて……悔しいのだ……」
「安心しろ、ヨーキィは無事港に送り届けた」
ハムマン「そ、その声は……!」
熊「お前はもう一人じゃない、助けに来たぞ!ハムマン!」
ハムマン「あのときの熊さんなのだ!」

熊「セイレーンの団体さんよぉ、ここはもともとアズールレーン連合の縄張りだぜ?」
熊「そこに割って入るなら、縄張り争いと行こうじゃねえか」
熊「自然界じゃ、縄張り争いは日常茶飯事なんだよ!森なめんな!!」
ハムマン「そのとおりなのだ!このハムマンがやっつけてやるー!」
駆逐艦とケモノ程度で」「我々に勝てるとでも?」
「艦載機、発進」「主砲てー」

ハムマン「そんなへなちょこ爆撃機、対空強化したハムマンが叩き落としてやる!」

熊「!!ハムマン!あぶねえ!」「え?」ドォンドォン
ハムマン「ほ、砲撃の至近弾?!」
熊「!!!」バシュゥモクモク
「主砲の着弾、確認」「爆風で見えない」「いや、煙幕?」

熊「ハムマン、怪我は……なさそうだな」
ハムマン「くま……さん……?」
熊「……なぁに、砲弾が当たって片腕が消し飛んだだけじゃないか……そんな絶望した顔するんじゃない……」
ハムマン「でも……たくさん血が出てるのだ……」
熊「この程度は森じゃ当たり前だ……森なめんな……」
熊「……いいかハムマン、この先にヨークタウンを保護してくれた港がある。武装を全て放棄、この煙幕に乗じて全速力でそこまで走れ」

熊「お前の速度なら、『やつら』に追い付かれずにたどり着けるはずだ」
ハムマン「だったら……だったらハムマンは熊さんも連れて行くのだ!曳航するのだ!」
熊「馬鹿野郎!!」「ひっ」
熊「……安心しろ、必ず追いつく。ヨーキィとも『お前を守る』って約束させられてるからな……」

ハムマン「だ、だったらハムマンとも約束するのだ!」
ハムマン「絶対……絶対生きて、生きてまた一緒に遊ぶのだ!!」
熊「……わかった、約束だ。」
熊「さあ行け!生きてヨーキィに会って、泣きながら再会を喜んでこい!」
ハムマン「はいっ!」ゼンソクコウタイ!イソゲー!
熊「……今回はお前がヨーキィを守ったんだ、歴史は繰り返させねえよ。」

「煙幕、晴れる」「?」「駆逐艦、いない?」「遠い、狙えない」
「…あのケモノ、研究所へサンプルとして連れていく。ダメなら沈める」

熊「さて、セイレーンのお姉さん方。」
熊「ダンスのお相手がこんなけむくじゃらですまねえが……」
熊「一つ、相手をしてくれねえか?」

ーー昼戦から夜戦、それを超えて

熊「もう夜明けか……さすがはセイレーン、ダンスする体力も底なしってか」
熊「……多勢に無勢、虚勢を張ってもどうにもならねえか……」
熊「約束、守れねえかなぁ……」
熊「肉弾戦ならまだしも、魚雷やら戦闘機はどうしようもねえしな」フゥ
熊「あの戦闘機が、俺を沈めるやつになりそう、だな」
熊「……女のコを二人も助けたんだ、お天道様もちょっとは許してくれるだろ」

「フッ、お天道様も、女性との約束を反故にするような熊を許してくれるだろうか?」

熊「え……?なっ……?!戦闘機たちが落ちていく?!」
熊「あれはF6Fトムキャット?!まさか!」

エンタープライズ「……約束とは契約だ。違えていいものではないだろう?」
熊「え、エンタープライズ!」

「馬鹿な……」「あの船体…間違いなくぶち抜いたはず……」「なぜ生きている?!」
エンタープライズ「あの程度の損傷でこのエンタープライズを破れると思わないでいただきたいな」
熊「馬鹿野郎!!ヨーキィと一緒に港で待っていろとあれほど!」
エンタープライズ「ひっ、だ、ダメージコントロールさえすれば問題ない!私がゴーストと呼ばれる所以でもある!それに……」
熊「それに?」

エンタープライズ「……私だって、怒っているんだ。」
エンタープライズ「ハムマンも『護れなかった自分に怒ってるのよ!』と言っていた」
エンタープライズ「私も同じだ、もう……もう誰かが沈む姿なんて見たくない!」
エンタープライズ「だから私は戦う!負けないために、勝つために!」
エンタープライズ「さあ!私の新しい勲章となりたい者から前に出ろ!!」

熊「……ハッハッハ!俺にびびってヨーキィの後ろに隠れてた娘とは思えねえ啖呵だ!」「う、うるさい!あのときだって別にびびってたわけじゃないんだぞ!」
熊「さあ、どうするセイレーンのお姉さん方。悪いが俺はまだまだ戦えるぜ?」
エンタープライズ「前門の熊、後門の地獄猫といったところだ。戦うというのであれば、私も容赦はしない」
「……」「十二分にデータは取れた」「これ以上の戦闘はデータに釣り合わない」
「……撤退する。」「さらばだ、ケモノと艦の魂を持つものよ。次は水底で会おう。」
熊「ハッ、あいにく熊は水上では生きてないんでな。俺の最期でもあんたらに会うことはないだろうよ」
エンタープライズ「私も、いや、私達も同じだ。いずれ訪れる最期もお前たちの前で迎える気はない」
「……そうだと、いいがな。」スゥー……

熊「……さて、帰るとするか!」
エンタープライズ「ボートを用意してある。乗ってくれ。」
熊「平気平気、これくらいなら走って帰ってグブッ」
エンタープライズ「無茶をするな!これだけの弾を食らって、立っていられることのほうが不思議なくらいだ」
エンタープライズ「さっき誰かが沈む姿を見たくないと言ったがな……あれには君も含まれているんだ」
エンタープライズ「頼むから、私が曳航するボートの上でも死んでくれるなよ?生きて港に運ばなければ、今度は私がハムマンに沈められてしまう」
熊「あー、そういや遊ぶ約束もしてたもんなぁ…しばらく遊べないから、きっと怒るだろうなぁ……」
エンタープライズ(そういう意味で言ったんじゃないんだがな、ケモノのくせにそういうところは鈍感なのか?)

『ガーピーガー……答せ……ガーピー応t……ガー』
熊「ん?無線か?」
エンタープライズ「ああ、一応持ってきていたんだ。」
エンタープライズ「こちらエンタープライズ。無事に熊を回収。セイレーンの艦隊も撤退。現在、第二種警戒態勢のまま熊ボートを曳航中。」
熊「熊ボートってなんかあれだな、危険そう」
エンタープライズ「暴れられたら危ないな」
『ガーピーキュイィイン……こちら港、指揮官だ。無線範囲内に入ったことを確認した。』
『ヨークタウン、ハムマンともに保護されていた港から曳航、すでにこちらへ帰還している。』
エンタープライズ・熊両名はそのまま第二種警戒態勢を保ちつつ港へ帰還せよ。復唱。』
エンタープライズ「こちらエンタープライズエンタープライズ・熊両名は、第二種警戒態勢を維持しつつ港へ帰還する。」
『……熊さん』
熊「ん?なんだ」
『……ありがとう』
熊「……いいってことよ。」

『……こちらハムマン』
熊「おお、無事だったか」
『あ、当たり前でしょ?!あのあとは大変だったんだから!』
『熊さん……怪我は大丈夫?』
熊「こんなんで死んでたら森の中じゃすぐ死んじまうさ。森なめんな」
『よかった……のだ……ヒック……ヒック……』
熊「なんだ、泣いてるのか?」『泣いてないわよ!』「お、おう」
エンタープライズ「……ハムマンは帰ってきた時大泣きしていたからな、ようやく泣き止んだのだろう(小声」
熊「なるほど(小声」
『スン……スン……おい、なにか失礼な話をしてないか?』
熊「いや?とりあえず、帰ったら……」
『帰ったら?』
熊「美味しいどんぐりが食べたい」